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ドイツでマイスターを目指す人がマイスターになるための道筋vol.6(履修登録)

前回まででマイスター学校にかかる費用とそれを賄う奨学金について説明してきました。

続いて履修登録の仕方といいますか、オススメの履修の順番をご紹介したいと思います。なぜこのようなどうでもよさそうなことを書くかといいますと、多くの日本人(外国人)が経済の試験で一度落ちます。それを含め、精神的にもかなり苦しいマイスター試験をいかにモチベーションを維持しながら、クリアしていくかは大きな課題でして、逆にそれがうまく実践できたら試験も有利に運ぶからです。なので履修の方法も、試験でどのように点を取っていくかも、作戦を立てて合理的に進めることが、マイスター試験合格への近道だと考えます。

今回も私の通っていてデュッセルドルフHWKを例に挙げて説明しますが、私が取っていたのは科目1と2が、そして科目3と4が同時に進行するコンビネーションコースというものでした。

今回は科目1と2がセット、科目3、科目4の三つに分けて説明します。

※これはあくまで私の個人的なオススメ履修登録ですので、最適が異なるという方もいらっしゃるかと思います。参考までにご覧頂ければと思います。

まず上でも書きましたが、全4科目のうちで一番我々(外国人)が落ちるのは科目3(経済)です。私がそうでしたが、一回落ちると次の試験までの日程が不明で、約4〜6ヶ月後に実施されるということしか連絡が来ません。そして試験3週間前くらいになり、いきなり具体的な試験日程が届くというかなり対応しにくいものです。私は半ばうつになりながら2回目の試験の試験勉強をしながら生活していました。

因みにデュッセルドルフは試験に合格した場合、折れないように厚紙の入った角2サイズの白い封筒で届きますが、不合格だった場合は三つ折りサイズの黄色い封筒で届くので合否が一目で分かります。

Vollzeit(フルタイム)の1年で決着をつけるべくして臨んだ戦いが、短期決戦から持久戦に戦い方が変更になります。一度試験に落ちることでモチベーションはガクンと下がります。なので私のオススメは受かる試験から合格を勝ち取っていき、どんどんモチベーションを上げて、最後にラスボスの試験3(経済)と戦うのがいいと考えます。

その観点から最初に持ってくるのは科目1.2です。なぜかというと科目1と2は自分の専門分野だからです。ちょっとだけ厳しいことを書きますと、科目1(専門実技)で落ちる人はマイスター試験には早いです。日本人が言語の壁をほぼ(多少はあるが)無視して、自分の今までの努力と経験からくる実力のみで純粋に戦えるのが科目1の技能試験のみだからです。そしてマイスター学校が始まると講義やら試験勉強やらでどんどん縫う(私はテーラーなので)時間はなくなります。職人は頭ではなく手で仕事を覚えているので、そこまで忘れることはないかもしれませんが、それでも勘が鈍らないうちに早めに終わらせるべきです。

そして続く科目2(専門筆記)ですがこれも難しいです。自分の専門分野に加えて、それに伴う原価計算や経済入門、職場環境作りなども出てきます。それでも私の講義を受け持っていた講師の先生がいった言葉が印象的だったのでご紹介させて頂くと、

「科目2は自分の仕事が好きならば必ず受かる」

とおっしゃっていました。その通り、試験は全て自分の職業に関することで、好きならば合っているのか疑心暗鬼ながらも熱意を持って一言でも多く空欄を埋めようと頑張れます。科目2(専門筆記)に関してはパッションとそれに付随する努力があれば乗り切れます。

なので科目1(専門実技).2(専門筆記)を最初に受講します。

科目1と科目2は同時に取ると、科目2の試験が先に来ることがありますので、順番が前後する可能性があることはご了承下さい。

他の業種は分かりませんが、私たちの科目1技能試験は6人ずつでした。これは場所と試験官の人数の関係で約18人の受講生を3つのグループに分けた形になります。グループA、グループB、グループCと分けられ、私はグループAで最初でした。

試験内容は2日間の婦人服の試験(プレ試験)と9日間の紳士服の試験(本試験)です。日数がかかる試験なので、後続のグループは2週間は待たないといけないことになります。もちろんその間に家で縫う練習はできますが、その分緊張する時間も長くなります。なので私は最初に終わらせてよかったと思っています。

因みに私たちの時期は丁度最初のコロナショックで、ロックダウンするかしないかの瀬戸際での技能試験でした。私たちはギリギリで試験を無事に終えることができましたが、その後ロックダウンでグループBからは試験が延期になりました。このようなこともないことはないので、できることは準備が整っているのであれば早めに終わらせた方がいいと考えます。

次に科目4(教育)です。

これは2つの試験からなり、試験1(筆記)と試験2(面接)です。因みにデュッセルドルフは面接でしたが、他の州や街では実演のところもあります。その場合は試験官がAuszubildende(訓練生)役をし、実際に受講生がAusbilder(指導員)として“教える”試験になります。

正直な話、科目4のコースが始まってから、最初の2週間私はこの講義が何なのか全く意味が分かりませんでした。

次第に「あっ、これは”教える”授業なんだ」と気がつきました。

科目4(教育)では教授法といい、教え方を勉強します。また、Azubi (訓練生)は16歳くらいの未成年で精神的にもまだ未熟な子たちもいます。そして職業訓練先は彼らにとって学校同様育つ場になるので、教えるだけでなく育てることも勉強します。つまり”教育”です。

また、法律の観点からAzubi (訓練生)を守らなければなりません。なので労働基準法を初めとした、労働全般に関する法律をここで学びます。

この科目4の試験も日本人(外国人)にとっては難しいです。しかし試験内容が科目3に比べると少ないので一生懸命勉強すればなんとかなります。

残すは科目3(経済)です。

これは難しいです。ドイツ人でも落ちることがあるので、外国人の我々が落ちてもまぁ仕方ないかなあと思えるくらい本当に難しいです。

私はここで薄々心配や不安をしていた、試験に3回落ちた時本当にどうにもならないのか、マイスターになれなかったらどうしよう、今後の人生について、などなど現実的に考えました。

何がそんなに難しいのかといいますと、試験が4教科(3教科の州と街もある)と多い、試験範囲が広く覚えられない、内容が自分の業種と関係なくやる気が起きにくい、経済と法律の専門用語ばかりで辞書で調べても単語や説明の意味がよく理解できない、調べても出てこない言葉がいっぱいある、計算問題の配点は少なくドイツ語のボキャブラリーと文章能力が必要、などなど、記憶力、集中力、理解力、ドイツ語能力、文章力がいります。

この試験は他の全てが終わっている状態で、他のことを考えないでこれだけに集中して臨む意気込みがいります。なのでこの科目3(経済)をラスボスにして一番最後に持ってくることを私はオススメします。

試験は受けるまでどんな試験か分かりませんよね。一度試験の雰囲気と試験内容を知るために一回分捨てる気で試験を受けることは博打に近く、3機しかないマイスター試験ではかなりリスクが高いです。

なので私のブログではできるだけ詳しく試験の詳細も書いていこうと思います。情報を制する者が戦いを制するということで、試験をする前からみなさんにはどういった試験かだいたい感じてもらえたら幸いです。

各講義並びに試験について、また記事にして書いていきます。

情報を制して、マイスター試験を制しましょう!

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